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2008年8月最終調査報告
2008年8月8日報告
竹林寺天文台遺跡では、2008年7月末に埋め戻し作業を行い、発掘調査はすべて終了しました。そこで、今回は出土した遺物について報告します。
これまでの速報の中でも報告してきましたが、調査によって古墳時代以降の遺構と弥生時代後期の遺構が見つかりました。古墳時代以降の遺物として、須恵器の杯や亀山焼の甕の破片などが出土しています。
弥生時代後期の遺物としては、弥生土器、石器、鉄器、土製品が出土しています。弥生土器は壺、甕、鉢、高杯の破片が多く出土しています。今回の調査では完全な形の土器は出土していませんが、鉢[写真1]はもっとも復元ができている個体です。石器は石斧、石鏃、石錐、敲石、石錘が出土しています。なかでも石鏃[写真2]は4点出土しており、形もさまざまです。石錘[写真3]は2点出土しています。鉄器[写真2]は速報11で報告した、径8.3mの竪穴住居から出土しています。鉄器の種類については、現在検討中です。土製品は土錘[写真3]、土製勾玉、土玉[写真4]が出土しています。
今後は出土した遺物の接合、復元などの整理作業を進めていき、竹林寺天文台遺跡の性格などについて、検討していくこととなります。
1竹林寺天文台遺跡の発掘調査報告ですが、調査が終了いたしましたので、今回をもちまして終了とさせていただきます。ご愛読いただきまして、ありがとうございました。
[写真1]弥生土器。鉢
[写真2]石鏃と鉄器。
[写真3]網のおもり(土錘と石錘)。
[写真4]土製品(土玉と勾玉)。