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自主防災組織とは

ページID:0001012 更新日:2024年3月19日更新 印刷ページ表示

地域の防災活動を効果的に行うため、役割分担を決め、規約等を作成し、それに基づき活動を行う住民による自主的な防災組織です。

自主防災組織を育てる

大地震や広域洪水のような大規模災害時には、建物の倒壊や火災、道路・橋梁等の損壊が同時多発的に発生する外、電話の不通や電気・ガス・水道等の使用不能等も発生し、消防機関等の活動が著しく制限されたり、対応が遅れたりする可能性があります。
1995年1月に発生した阪神・淡路大震災では、生き埋めや閉じ込められたときに救助された際の内訳を見ると、約95%が自力・家族・友人、隣人に救助されています。
このように、発災後、一定の間は、地域住民の一人ひとりが「自分たちの地域と自らの命は、自分たちで守る」ことが必要で、そのためには出火の防止、初期消火、災害情報の収集伝達、避難誘導、被災者の救出救護、応急手当、給食給水の実施等、地域単位の自主的な防災活動が求められます。
とりわけ、地域に住む高齢者等の災害時要援護者への現場でのきめの細かい支援活動が、災害被害軽減のために重要であることが多くの災害経験の中で分かってきました。
これらの役割を担う組織を「自主防災組織」と呼びます。いざというときに備えて、町内会(自治会)活動の一環として、防災について話し合い、防災活動に取り組むことが大切です。

自主防災組織の位置づけ

大規模災害において被害を最小化するためには、消防機関等の公共機関の活動のみに頼っていては、達成できないことを私たちは、数多くの災害の経験を通して学んできました。

つまり、災害の被害を軽減させる(このことを「減災」と呼びます。)には、公共機関による救助・支援などの「公助」に加えて、地域住民相互による援助である「共助」、そして自らを守るという意味での「自助」のそれぞれが必要であるということです。
自主防災組織は、この内、「共助」のための中核の組織となるもので、かつ「自助」を行う住民個人を直接・間接的に支える地域における基盤組織となるものです。

地域には寝たきりの高齢者、身体機能障害者等、災害に際して介助の必要な人々も住んでいます。災害のように緊急性を有する事態では、公共機関による支援、救出救護等が災害発生直後には期待できない事も多くあります。
自主防災組織の共助の活動は、このような人々の被害を軽減させるのに極めて重要なものです。

自主防災組織の目的・役割

大規模な災害時に減災を効果的かつ速やかに実施するためには、初期消火、被災者の救出・救護、避難等の防災活動を行うことが不可欠です。
しかしながら、このような活動は、住民各自がばらばらに行動していても効果は少なく、場合によっては混乱をもたらす事さえあります。地域としての防災力を最大限発揮するためには、何らかの形で組織だった活動が必要となります。
自主防災組織は、

  1. 平常時の役割
  2. 災害時の役割の二つを常時持ちます。

平常時の役割

仮に災害が起こったとしても、その予想される被害をできるだけ軽減させるような活動、つまり予防的活動。
また、同時に、災害が発生したときに備え、地域防災力が最大限発揮できるような体制や状態を準備・用意するための活動。

災害時の役割

地域の減災のために初期消火、救出・救護、避難誘導などを行い、また、あらかじめ用意した様々な対策を機動的に行うこと。

自主防災組織への参加者が、災害時に速やかに効果的な減災活動を行うためには、準備や訓練を通じて自らの役割を知り、様々な知識や技術を身に付けることが望まれます。
したがって、自主防災組織の活動は、平常時の役割・訓練に重点を置き、その活動を通して地域を知り、減災のための知識・技術を身に付けること、つまり「防災のひとづくり」が大切となります。

「防災のひとづくり」というと、消火や救護のための特別な技術を身に付けたり、組織化したり訓練することだけと思われがちです。もちろんそういったことは重要ですが、根本は、志ある「救う側のひと」を増やすことでより多くの人を助けようという取り組みです。
大地震などでは、外部からの救援などが期待できない場合がありますので、直後の救出救護活動などは、その場に居合わせた人だけで行うことになります。

災害の現場に居合わせた人とは、

  • 助ける側の人:無事だった人
  • 助けを必要とする人:下敷きになっている人、傷病や障害などを持つ災害時要援護者

の2通りに大別することができます。
その総数は変わらないので、前者が増えれば後者が減り、その逆に後者が増えれば前者が減ることを意味します。無事であった人の数が増えれば増えるほど、救出救護を必要とする人の数が減ることは当然ですが、ひとりを救うために係わることができる人数が飛躍的に増えることに注目しなければなりません。

ひとりひとりが無事であることの意味、力はとても大きいのです。

このように、自主防災におけるひとづくりというのは、直接的に専門知識をもった集団を組織することだけではなく、災害が発生したときに、自分や家族がケガをしたり亡くなったりせず、災害の中で周りに関心を持てる人を増やすこととも考えられます。