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龍城院庭園の岡山県名勝の指定について
龍城院庭園が、令和7年3月18日付けの岡山県広報第12685号により、岡山県名勝に指定されましたので、お知らせいたします。この度の指定で、本市内の岡山県指定重要文化財等は、「旧高戸家住宅」「石造地蔵菩薩立像(ゆるぎ堂所在)」「絹本著色仏涅槃図」「鴨方藩の砲車」の5件となりました。
指定内容
文化財名称
龍城院庭園(りゅうじょういんていえん)
種別
名勝(めいしょう)
所在地
浅口市寄島町福井地内
所有者
宗教法人龍城院
指定理由
福井山壽福寺[ふくいさんじゅふくじ]龍城院は、竜王山(標高289m)南西の福井山(標高175m)南中腹に位置する天台宗寺院である。寺伝によると、龍城院は承和5(838)年に最澄の高弟の一人である慈覚大師円仁が開基したと伝えられる。寛文6(1666)年に岡山藩主池田光政による社寺整理で周辺12坊が統合され、現在の地に定められた。現存する本堂は元禄2(1689)年及び宝暦9(1759)年再建で、庫裏[くり]は安永4(1775)年の再建である。庭園は本堂の北側背後に位置し、隣接する庫裏の北西側に当たる。江戸時代の伽藍[がらん]の再建・整備に伴い、現在の形に整えられたと考えられる。
庭園の様式は池泉座観式[ちせんざかんしき]で、視点場は庫裏の北西部の書院にある。斜面裾部に造成された護岸石組の池には中島が1島浮かび、背後の福井山を借景として取り込む。また、敷地造成の際に削り出した斜面地に主景となる二段落ちの滝を築く。現在、滝からは水が流れ落ちているが、これは後世の改修と推測され、当初はその上部の立石を含めた三段落ちの枯滝[かれたき]であったと考える。さらに、池に面した斜面裾付近には幅広く豪壮な枯滝を造成し、その足元に池が広がる情景が造出されている。
敷地造成により現出した地形を巧みに活かして築造された幅広く豪壮な枯滝は、県内でも希少な事例として貴重である。岡山県の庭園文化及びその築造技術を考えるうえで重要と高く評価できる。
岡山県広報
令和7年3月18日第12685号 [PDFファイル/1.03MB]<外部リンク>
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関連リンク
- 岡山県教育庁文化財課ホームページ<外部リンク>
- 市内の岡山県指定重要文化財一覧
- 龍城院ホームページ<外部リンク>