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浅口市指定文化財・無形民俗文化財
吉備神楽(きびかぐら)
吉備神楽を代々継承している笠原家の言い伝えによれば、江戸時代中期の享保年間(1716~1735年)頃から地域の荒神社などの祭礼に神楽を奉納していたという。荒神神楽は集落単位の荒神祭で5年又は6年ごとの式年祭に盛大に行われる。白蓋神事、荒神御崎の舞や神代神楽(岩戸開き・国譲り・大蛇退治)を演じるが、この神楽は幕末に神田大和守ほか神楽社中がほかより移入し、荒神神楽の演目に加えて独自の神楽に仕上げた。備中神楽とストーリーは変わらないが、太鼓の叩き方は舞い出る命によってすべて異なるなど「吉備神楽」独特の叩き方をする。この地域で神楽社を形成し、江戸期から現在まで続いて地域の伝統文化の継承、振興(子供神楽の指導育成)に寄与していることは、貴重な民俗芸能である。
ひがさき踊り(金光町)(ひがさきおどり・こんこうちょう)
この踊りは、1524(大永4)年8月、藤澤兵部大輔の祖父秀信が信州諏訪大社の分霊を宗本に勧請した際、住民が祭神を迎えるためと五穀豊穣を祈願して踊ったのが起源とされている。地踊りを緩やかな六呼間四回の24拍で踊るのは非常に珍しく、これは踊りか舞かの論争もあったというほどである。この由緒ある「ひがさき踊り」を伝承するために、佐方ひがさき踊り保存会は神社に奉納したり、催しに参加したりと活動を続けている貴重な民俗芸能である。
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ひがさき踊り(鴨方町)(ひがさきおどり・かもがたちょう)
1686(貞享3)年7月、細川通董の供養のため盆踊りが奉納された。一般的には、念仏踊りが盆踊りの源流になっている。ここのものは雨乞いの踊りで、降雨に対する農民たちの必死の願いが込められているものとされており、貴重な民俗芸能である。
記録映像<外部リンク>
おわけ祭り(おわけまつり)
この祭りは、なぜ人々が祭りというものを執り行ったのか、また先人の神に対する信仰の深さをよく考えさせる神事である。また、例大祭に先立って行われる。本祭りの青竹は、神の降臨する依代とも考えられる起源の古い民俗的な行事である。以前に比べ、多少簡略化したものの毎年厳粛に行われ、地区民の支えにより伝承されている貴重な民俗行事である。
記録映像<外部リンク>
大浦神社競馬神事(おおうらじんじゃけいばしんじ)
大浦神社秋祭りに奉納される競馬神事は、1559(永禄2)年に三郎島にあった八幡宮を、大浦の地へ移した時、駿馬40頭を神馬として祭列に参加させたことに始まる。戦国時代という厳しい時代状況の中に端を発し、現在まで守り伝えられている県内でも特筆すべき無形民俗文化財であり、とりわけ祭礼に奉仕した地頭株、領家株の歴史を知る貴重な伝統的祭礼行事である。
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