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平成30年度新指定文化財の紹介
市指定文化財
平成30年度に新たに1件を市指定文化財として指定しました。
市指定文化財「石造阿弥陀如来坐像」
正面
背面
指定名称
石造阿弥陀如来坐像【よみ】せきぞうあみだにょらいざぞう
員数
1躯(く)
指定種別
市指定有形文化財
指定日・指定番号
平成30年4月25日・第40号
所有者
浅口市
所在地
浅口市鴨方町みどりケ丘三丁目565番地
文化財の概要
この文化財は、花崗閃緑岩を地上高88cmでほぼ水平に上下二段に分かち、3寸の半肉彫りで阿弥陀如来坐像を刻出する。頭部に肉髺(にっけい)を表し、地髪は螺髪(らほつ)に表している。腹前で法界定印(ほうかいじょういん)を結び右足を外にして、台座受花の各蓮弁を陰刻線で表した大仏座に結跏趺坐(けっかふざ)する。向かって左側に「應安二年(1369年)十一月一日」の陰刻がある。向かって右側に陰刻の形跡が認められるも、字画は判然としない。
従来から、地元では腰折地蔵と呼ばれて信仰されてきたものであるが、調査で阿弥陀如来坐像と判明した。現状では上下二段に分割されているが、当初から二分割されていたかは不明である。本作例は本格的な仏師の作例というよりは修験者の修行として刻まれた可能性が高い。制作年代が判明する基準作として、資料的価値が高い。
備考
石造阿弥陀如来坐像に関する文献は、次のようなものがあります。
- 「腰折地蔵」『鴨方町誌』1955年
- 「腰折地蔵大菩薩」『古探』1997年