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2008年7月調査報告

ページID:0002069 更新日:2024年3月19日更新 印刷ページ表示

2008年7月4日報告

竹林寺天文台遺跡では、これまで報告をしてきた竪穴住居の掘り下げを行っています。その作業の経過を報告します。
北東部の竪穴住居の内容が明らかになってきています。北東部の竪穴住居は同じ場所に2軒の竪穴住居の跡があり、1度建て替えを行っていることがわかりました。最初の竪穴住居は規模が直径6.5mの円形で、8本の柱を持った住居であったと考えています。この住居の中央の穴からは土器の破片とともに、土錘(どすい)が出土しました。建て替えを行ったのちの竪穴住居は、直径4.3mの円形のもので規模が縮小しています。この住居には北東へと延びる排水溝がつけられていました。
同じ場所に2度住居を造っていることから、この場所が比較的平坦であり、家を建てるのに適した場所であったのではないかと考えています。

北東部の竪穴住居(北から)。外側が最初の住居。内側が建て替えをした住居。の画像[写真1]北東部の竪穴住居(北から)。外側が最初の住居。内側が建て替えをした住居。
中央穴の掘り下げ状況。西から。の画像[写真2]中央穴の掘り下げ状況。西から。

2008年7月18日報告

竹林寺天文台遺跡では、2008年7月12日(土曜日)に、これまでの発掘によって得られた成果をみなさまに知っていただくために、現地説明会を開催いたしました。当日は天候にも恵まれ、雲ひとつない晴天となり、日頃の暑さよりも暑い中、約60人の方が説明会に参加されました。地元の方々が多く参加された中、大阪府や広島県など県外から参加された方もいました。
調査を担当した職員が、竪穴住居、掘立柱建物、土壙や溝について、調査によって判明した成果を説明しました。西側中央部の竪穴住居では、どの柱穴も硬い基盤層を平均で60cmほど掘り込んでおり、中には、岩盤を直角に掘っている部分もありますとの説明に対して、どのような方法で当時の人々は掘り込んだのかなど積極的な質問も出ていました[写真2]。また、標高340mという高地になぜ住んでいたのかといった質問も飛び交っていました。さらに、出土した遺物や写真パネルの展示も行い、参加者の方々は出土した石器や土製勾玉に見入り、古代の人々の技術の高さに感心していました[写真4]。
実際に現地にて調査の成果に触れていただくことができ、当時の生活に思いを馳せていただけたのではないかと思っています。お暑い中、休日にも関わらず、多くの方々に参加いただき、ありがとうございました。

現地説明会資料[PDFファイル/3.88MB]

西側中央部。竪穴住居の説明。の画像[写真1]西側中央部。竪穴住居の説明。
柱穴の説明。の画像[写真2]柱穴の説明。
説明を熱心に聞き入るみなさん。の画像[写真3]説明を熱心に聞き入るみなさん。
出土遺物やパネル展示の見学。の画像[写真4]出土遺物やパネル展示の見学。

2008年7月25日報告

竹林寺天文台遺跡では、掘り下げの作業をすべて終了しました。そこで、今回は西側中央部において検出した竪穴住居についての報告をいたします。(現地説明会資料の2.竪穴住居)[PDFファイル/3.88MB]
この竪穴住居はもともと直径約5.5mの竪穴住居があり、その後建て替えを行って、直径約8.3mの規模の竪穴住居に拡張していることがわかりました。この竪穴住居が建てられている場所は、東から西へと傾斜して下がる斜面地であり、東側を約60cm削ることで、平坦にし、竪穴住居を造っています。さらに、柱を据えるために、岩盤を掘り込んで柱穴を掘っています。柱穴の深さは平均で60cmもあります。硬い岩盤を掘り込んでおり、場所によっては岩を掘っていて、かなりの労力を費やしたことが想像できます。また、調査においても、腹ばいになって掘らないと手が底まで届かない状況でした。柱穴はこの住居から約35本見つかっており、柱穴がどのように住居を構成していたかは、検討をしている最中です。
また、この竪穴住居からは弥生土器のほかに、サヌカイト製の石鏃が4点出土しています。さらには、土製勾玉や土玉といった珍しい土製品も出土しており、この竪穴住居の性格を考える上で参考となる遺物ではないかと考えられます。

竪穴住居。検出中。北から。の画像[写真1]竪穴住居。検出中。北から。
竪穴住居。検出状況。北から。の画像[写真2]竪穴住居。検出状況。北から。
壁体溝(へきたいこう)の検出。北東から。の画像[写真3]壁体溝(へきたいこう)の検出。北東から。
掘り下げ状況。南東から。の画像[写真4]掘り下げ状況。南東から。
柱穴の掘り下げ。西からの画像[写真3]柱穴の掘り下げ。西から
完掘状況。北西から。の画像[写真3]完掘状況。北西から。

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